(たんかこう)
曹操が作った楽府詩。
人生の短さと、天下統一への野望を詠んだ名篇。
「対酒当歌、人生幾何」という冒頭の句は特に有名で、後世に広く引用されている。
赤壁の戦い前夜、曹操は船団の上でこの詩を朗詠し、将兵を鼓舞したという逸話がある。
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対酒当歌、人生幾何。譬如朝露、去日苦多。慨当以慷、憂思難忘。何以解憂、唯有杜康。青青子衿、悠悠我心。但為君故、沈吟至今。呦呦鹿鳴、食野之苹。我有嘉賓、鼓瑟吹笙。明明如月、何時可掇。憂従中来、不可断絶。越陌度阡、枉用相存。契闊談讌、心念旧恩。月明星稀、烏鵲南飛。繞樹三匝、何枝可依。山不厭高、海不厭深。周公吐哺、天下帰心。
酒を酌みながら歌えども、人生幾許ぞ。譬えば朝の露のごとく、去りし日は苦しく多し。慨然として慷となし、憂思は忘れがたし。何を以て憂いを解かん、唯だ杜康(酒)のみ。青青たる子の衣衿、悠悠たる我が心。但だ君が故に、沈吟して今に至る。呦々たる鹿の鳴く、野の苹(艾)を食む。我に嘉賓あり、瑟を鼓し笙を吹く。明明たる月のごとく、何時にか掇(と)らん。憂い中より来たり、断絶すること能わず。陌を越え阡を度り、枉しくも以て相存ぜり。契闊して談讌し、旧恩を心に念ふ。月明星稀、烏鵲南飛。樹を繞り三匝、何の枝に依る。山は高きを厭わず、海は深きを厭わず。周公哺を吐き、天下心に帰す。